高岡大祐alone@入谷なってるハウス

高岡大祐tuba


久々のalone。
高岡大祐アコースティックtubaソロの名前をお客さんに付けられたのは
丁度半年前のこの場所だった。


店に入っていろいろと作業。
開場前にウォーミングアップを少々。
今日は曲をやるがほとんど事前の用意はしないことにする。


曲目のほとんどは一人で吹いたことのないものにした。
懐かしいニューオリンズものをいくつか。
メロディーを吹くことは今までほとんどなかったのだが
どちらかというとゴスペルに近い黒人霊歌の流れを持つ曲を演奏するのは
楽しみでもあり真剣に一つ一つの音に触れるためどこか厳か。


最近聞きなおした大好きな映画音楽のテーマソングを。
これは誰とも演奏したことない、メロディーもベースも我が唇は未体験。
しかしいつも口ずさんでいたものはいつでも吹けるものだ。
自分の好きな曲が自分の体を通して再生されるのは単純に心地よい。


バイバイブラックバードでよく覚えているのは、
「あの曲好きなんだ」といったときに
「え、あんなの大学のジャズ研の新入生がやる曲じゃない」
といわれたことだ。
こんな風にしか考えられないんだ、とひどく軽蔑した覚えがある。
僕は出来るだけ音楽に社会的な意味なんてないほうが良いと思う。
良いメロディーだと、やってみてまた思った。


ドンチェリーの曲は10年以上前に大阪で友人たちとやっていたバンドで
よくやっていて、体に染みている。
揺れる感じが大好きなmopti。


2部でやっと即興演奏へ。
突然頭の中にあふりらんぽの「バカが来た」の中にあった
ピグミーの合唱の導入部分がよみがえったので
それをそのままやってみて、自分の中から何かを発生させるまで待つ。
発生したら続ける、少しだけコマを動かすようにじわじわ変化させる。
繰り返している間に飽きない。
少しだけローニンに学んだやり方を自分なりにやってみた。


てぃんさぐの花はこないだ大工さんと少しやってみてそれをソロに。
そのままメドレーにしてなってるハウスマスターの広沢哲作曲の古い曲
天の魚、に。
吹き語り調でモジュレーション変調生音なども。


二つ目の即興では一切吹かなかった。
管の中に木魂する自分の声をいくつかの役に振り分けて即興の演劇のような
しかし根本は音にあるようなものを。
こういうので、暗いモテなそうな雰囲気のものは嫌いなので
そうならないようにする。
自分的にはこれがかなり面白かったのだが客受けは知らない。
かなり喉を酷使した。


前からやってみたかった曲を。
les-ist、こうとしてかけないあのマチューのユニットの曲。
曲名も知らない、間に聞き取れるのはひとつだけ
ストロベリー、と。
最近いつも彼の歌声が自分の中に流れている。
これを出したい、というのがはじまり。
シンプルで美しいメロディー。
しかし思いを音にするのにはかなり難しい曲だ。


ミンガスのbetter git it in your Soulは辞めたバンドでよくやった。
自分のバカみたいにブンブン鳴らすベースラインが特徴だったアレンジを
そのまま活かして力技で演奏。
大汗かいた。


最後に板橋さんのfor you。
メロディーをさらりと一回だけ。
これで終わり。


+++++++


少し間を空けてみようと思う。
やりたいことをやりたい場所で、求めるところで。
かなり渾身の演奏だったけど、残念な思いも残る。
丁度半年かあ。
さて次はどこでaloneしようか。