とかく私は嫌われる

数日間、混迷と混乱の中に居ました


本当に自分も周囲もあきれるくらい
僕は人に嫌われる
本当によく嫌われる


友人の背中にまわした自分の手の感触が
まだ冷めないうちに 抱擁の別れのあと
振り返ったところで
後ろから刺される
何の前触れもなしに


数年来、互いにつかんでいた綱を
ずっと持っているものだと思っていたのが悪かったのか
当たり前のように手を離される


饗した手ずからの料理は
皿ごと顔に叩きつけられ
精魂こめて愛をこめて
歌い踊れば そんなものはいらないと罵られ


笑顔は醜いと唾を吐かれ
全部嘘だと存在ごと否定され
叩き折られ
投げ捨てられ
踏みにじられ


これは何度もあったこと
幾度も幾度もあったことなので
慣れろ 俺 と思うけど
どうしても慣れることができない


自分を含めて何を信じていいのかまるで分からない
せめて音楽だけはいつも嘘じゃないと
胸を張って生きてきたのだけれども
それすらも 届かず


それでも一度好いた人のことを
嫌いになることが出来ない
何故かさっぱり分からない


サヨナラだけが人生さ と
子供の頃から聞かされてはきたものの
やっぱりそんなもの 信じられない
サヨナラするために会うなんて ない
僕の諦めは人格同様 非常に悪い


目の前から人が去っていく
もう2度と生きて会うことはない
考えに考え抜いて
自分を責め抜いても
答えは出ない


こういうことなのでしょう
僕の生きる道
しゃあない


百万人の拒絶の前でも
胸を張って生きることの歓喜を歌うことを
誓って早 10年足らず
折れるわけにはいかない
すべての友人が僕の前から去ったとしても
折れるわけにはいかない
一瞬でも信じてくれた人がかつて いた


どうしていいか本当に分からないけれども
それでも 足を一歩前に出して
背筋伸ばして胸張って 息を整え
楽器を抱きしめ 吹くしかない


友にオサラバされるのがどうしたってんだ
そんなことより前に 
望むと望まざると
この世とオサラバしてしまった奴らに
どんな顔見せて お前はやってくんだ


こうして自分の気持ちを整理して
友去りし後 太陽が二つめ 昇った朝に
初めて涙が出る
失ったことの大きさと
それがすべて自分のせいであることと
それでさえなお
反省とは無縁に
背筋伸ばして胸張って 息を整えて
どんな時にも 楽器抱きしめ 吹くしかない男


失うことに慣れなさい
抱きしめて刺されたくらいで
痛みを感じるのをやめなさい
すべてを投げ捨てられても
その醜い笑顔で どうやって愛することを
止めてよいのか どうせ 分からないでしょう


もはや 立ち止まることは出来ない
血は涙のように止まらないが
漏れたはらわたを引きずりながら前進するのみ


いまはただ 悲しいだけだ
とにかくいいから 吹け 俺