鑑賞:スーホの白い馬@富山能楽堂

daysuke2006-10-21

今回の富山はこの公演を見ることを中心に組んだものである。


+++++++++


「スーホーの白い馬」を観た
いや、もう「観た」なんてもんじゃないな
見て聴いて感じて震えて泣いた


(勝手に言ってるだけだけど)我が表現の師匠
やまとあつし、渾身の力作
表面ばかり言って申し訳ないけど
モンゴルからこの日のためだけに演奏される
モンゴル馬頭琴交響楽団、朗読は紺野美沙子さん。
パペット遣いに特別に編成されたチーム・タルバガン


公演はこの日一日のみ。
本当に、なんという贅沢の極みか。


音楽はゆるやかに身を委ねさせ
目の前に展開されることがらは風のように心揺らし
富山に居ることさえ忘れさせられた


草原をあらわす緑色の布が山々のように広がったときに
身も心も奪われて涙が出た
美しさにももちろんだが


やまとさん
あの想像力の豊かな(アホみたいな言い方しか出来んなあ)
彼が、考え抜いて考え抜いて
ものをあらわしていくことに
感動させられたんですよ、マジで。


どんなものでも
あらわすときに必要なのは
限界以上に想像して考え抜くことかと
俺は彼から勝手に学んだ、つもり。
普段から鍛えておかなくちゃ。


件の緑の山々をスーホーと白い馬が駆けるシーン
能楽堂ゆえに消すことの出来ない背面の大きな松の絵が
ここで、本当に消えたんですよ、我々の目前から。
隠されたんではなく、我々のイマジネーションから
松が完全に消えてモンゴルの草原が現れた
泣かいでか


ストーリーに泣かされたわけではない
その美しさと、美しさに賭ける人たちの思いと
エネルギーは、絶対強く届く。


最後まで奪われっぱなしだった。
公演詳細はこちら
http://www.aubade.or.jp/suuho/top.html
やまとさんの下宿屋
http://gesyukuya.gozaru.jp/


++++++++++


終演後、明日お世話になるガラス工房の方々、
友人知人たちと感動に震えていたら
やまとさんとべんちゃんが姿を現した。
もう抱きしめるしかないじゃないか。
皆涙止まらず隠さず。


全てを振り絞って製作に臨んだやまとさんは
あきらかに少し、小さくなっていた。
白髪がどっと増えたよ、と笑っていた。


会ってすぐにこの人みたいに仕事が出来る人間になりたいと
思ったのですよ。
絶対あきらめないで、自分のやりたいことをきっちりやる。
本当に好きなことやろうと思うもの。


今回の富山旅は、これを見ることを中心に組んだ。
本当にきてよかった。
観に来るだけでもよかったくらいだ。


終演後は気の合う仲間と
地元の人が大喜びの飲み屋さんで
富山の神髄とも言うべき魚料理を奥座敷
貪り食ってこの日の偉業をたたえた。