BLO/OCTセッション@谷町伽奈泥庵

daysuke2006-10-04

参加者は下記日記を参照のこと


以下文章はほとんど某日記から転載。
来日中のベルギー勢数名から数日前に
「フリーセッションがしたい」と言われて急遽組んだもの。
面白かったのだ。


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もうどうなんの、これ?
ベルギーから来ているBLO/OCT
と毎日暮らす僕。
おもろい。
メンバーの中には休日でも文無しでも出来る限り
音楽をやっていたいという者が居る。
僕もそうだ。


急遽、9月末に近所のなじみ伽奈泥庵にお願いして実現した
フリーセッションの初日。


しかし
僕が昨年の欧州旅で体験したような
どーでもいい へだらなジャムセッション
無理やり突っ込ませるようなことはしたくない。


久しぶりに企画するセッションは今は亡き
barr@渋谷のやり方を踏襲する。


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開演時にはもうかなりのひと入り。
満員である。
カンパ制が効いたのだろうか?


あらかじめ知っていたメンバーを組み合わせていく。
今日のお献立は


BLO:ヤニックds グレッグbs
OCT:マチューvo マルタンds
(やっとフランス語でマルタンとちゃんと
 言えるようになった)


地元勢からは


高岡大祐tuba 加藤吉樹g 三宅伸一ss,etc
デグルチーニ(個人)body,vo ハタノアツコvl


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全部のセットを書くのは難しいなあ。


初っ端は僕とグレッグとヤニック。
気心の知れたメンバー。
そこそこ控えめに展開をトントンと変えていったのは僕だが
ヤニックが早さにまごついたらしい。
リズミックなアプローチで最後はなんちゃってムーディー。



次はヤニックの残って三宅と加藤さん。
インプロでは顔を合わせている二人。
静かな曲調。三宅の物音と情念的なギター。
ヤニックのプレイが印象的。



マチューとグレッグとハタノさん
マチューはいきなり高台に登り、マイクを振り回して
規則的に低音を出す!
風に吹かれるベースのよう。

それをバックにグレッグとハタノさんは仲良くアンサンブルを
美しくまとめていく。
さらにマチューは巨大エアコンにマイクを向け一部を叩いて
響かせた音でリズムを刻む。
こういったようにマチューは異常な音ながらもバックトラック
二人はアンサンブルという構造がなされる。
すごいぞ、このセット!


喉に直接当てたマイクでアナログフィルターボイス
革靴のかかとを叩き合わせてリズムを取り
その裏拍で凄まじい舌打ちでビートを取る。
目の前に座った子供が目をかっぴらいて唖然あんぐり。

この後もマチューはとんでもないアイデアを瞬発的に
どんどん出していくのでどのステージがどうか、
思い出せなくなっています。



即興をやりなれていないだろうマルタンと僕のデュオ。
おちょけるように彼をくすくすいじり倒す。
「だれぞ入ってもええよ」と言ったら
なんだか目つきの悪い不健康そうな男性が気持ちの
悪い声を出しにきた。
こんな変なシーンもあり。



デグルチーニ・マチュー・ヤニック
この日のハイライトのひとつ。


マチューのデグ氏ばりの低音ボイスからスタート。
この人、本当に多彩・天才。


デグ氏は久々登場のbody
彼の自作楽器で僕は随分前からこれと共演している。
好不調の分かれる楽器、エレクトリック・ビリンバウ。
今日は絶好調、不気味な低音が彼のチャッカマンから。


マチューはベルギーから持ってきた80前代のラジカセに
リアルタイム・アナログ・サンプリング
自分の声を吹き込みながら回転数を変えイコライザー
変えてそれを後に再生しながらまた歌う。


ヤニックは非常にシュアーなビートでバックアップ。
ちょっと意識的なところも見えて、仕事的。
しかしもちろん素晴らしい。


このセット最終局面はマチューのスーパーファルセットボイス
と驚いたことにデグ氏もそれを忠実に追いかけていき
区別のつかない声の波状攻撃。
ノイズラップのように変化するあたりで客も大歓声。


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ここまで来ると采配もクソもない。
何しようか、お客に聞いたら
全員声でやってみたら?とのこと。


ほぼ全員集合、客席から友人とんちと
ビッグビッグバンドで一緒だったテルミンのマミタンが
飛び入り参加。


マイクを1本だけ立てることに。
(少しやな予感)


基本的にはノーマイク、ノー楽器。
手拍子と歌で谷町ピグミーワールド。
たびたびマイクを回して各人にソロを取らす。
自分でマイクを奪う人はまあ大体目立ちたがりで
上モノ的意識ばかりが強くなるからなあ、
俺的には少しそういうのは醒めてしまう。
ヤニックと俺は同様のようで執拗にビートを練っていく。
マチューはさすがで上モノだけでなく全体に影響を与えるような演奏
(これがベストだ)、素晴らしい。
途中盟友なっかんが掟破りの太鼓持ち込み乱入で
このあたりでもうめちゃくちゃ。
高いキンキン声と執拗なリズム、へんてこトランス。
しかしどこぞみたいに暗い様相はまったくない。
俺仕切り、当然。


大団円で幕。


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こんなに観衆を巻き込んで即興演奏を
大展開できるとは思っていなかった。
カンパも上々集まった。


気になったところはいくつか
地元勢、演奏していないときには
演奏に興味がない様子のものも
自分さえ目立てばよいというのでは
全体的には面白くない話。


明日はまた違ったたくらみをやってみようと思う。