ビッグビッグバンド@吹田アサヒビール工場ゲストハウス

daysuke2006-10-03

出演: ビッグビッグバンド(公募で100名募集)
栗原正己(栗コーダーカルテット)/リコーダー
高岡大祐/チューバ
イトケン(harpy、あがた森魚バンド)/打楽器
森本 アリ(三田村管打団?、ファンクラブオーケストラetc)/吹奏楽
三田村管打団?メンバー
ラスキンジャズオーケストラメンバー
をはじめ公募で集まった音楽愛好家たち総勢100名

http://artsaporia.exblog.jp/


いよいよビッグビッグバンド。
夕方に入るとミュージシャンではほぼ一番乗り。
アリ君はニューヨーク帰国したてで駆けつける。
キーボード・指揮者で有馬さんが参加。


会場の設営は結構大変だ。
ふだんはアサヒビール見学に来た人を迎えるゲストハウスの
食堂みたいなところ400人以上座れるをコンサート会場にするのだ。


応募は膨れ上がって100人を軽く超えたそう。
追加参加者もあって120人くらい居たのではないか?
客席とステージはほぼ同じくらいの感じ。
並び方決めるだけでも一苦労。
弱音楽器から前列中央に並べ、指揮台から遠く奥に向かって音量の大きな
低音の出る楽器に配列。


途中、休日のベルギー勢、ブラックライトオーケストラから
ダニエル(この日は)cl、グレッグbs、ヤニックdsが来訪。
言葉の問題もあるがこれはまたスペシャルな楽しみ。
ヤニックはキックを抜いた簡単なセットを持ってきてくれた。


開始直前までコンダクターと首謀者で額つき合わせて鳩首会談。
栗原さんを中心にかちっとしたプログラムの骨子があって本当によかったと思う。
これでぎりぎりなんだろうなあ、この人数となると。


結構唐突な感じでスタート。
客席には噂どおり、60台のかたがたも多い。
さすが応募は往復はがき。
指揮台に登る立場の人間が代わりばんこに説明やレクチャー。
両翼に指揮者の指示が見えやすいようにプロジェクター投影。
尻を向けて指示しているのもなんなので
正面上部には客席から見えるようにまた投影。
各楽器グループに当ててマイクがこっそり用意されている。


コブラを簡易にしたようなカードによる指示で組み合わせや
指揮者の身振りに即した演奏などから。
全員で音が鳴るシーンはほとんど区別がつかない。
意外なことにめいめい勝手に音を出すと言う行為はすんなりいくようだ。


ワークショップではちょっと指示ばかりで硬いかなあと思っていたのだが
それくらいかっちりしてのでこの人数だとちょうどだ。
まあちょうど、と言うのはこちらサイドが混乱しないですむと言う
意味合いでもある。


休憩を挟み2部へ。
最初は有馬さんの指揮でコンダクター役がカード身振り指揮の
デモ演奏。
みな即興演奏に慣れているゆえ、音楽のシーンが次々変わる。
引き出しの多さと言うのもあるがそれより発想の転換を見て欲しいと思う。


2部の最初は昨年もやったらしい、映像に音楽をつけるもの。
まずはミネストローネを作る映像、2分程度。
各人希望の食材になりきって音を出すというもの。
なんとなく面白いが、ミネストローネになるのかは不明。
あと、あれではミネストローネは作れない。


続いて映像二つ目。
パンダが3匹遊んでいる。
パンダの音、映像の中の環境音、映像のBGMとしての音楽、
に3グループ、任意に分かれて即興演奏。
これも僕的にはあんまりぴんと来なかった。


ここらへんでぼくは演奏参加者席に居て演奏に混じっていること多し。
ベルギー勢への通訳は近所の女性が代役してくれて大変助かった。
ヤニックだけセットのところでは慣れているので簡易下手同時通訳をする。
まあニュアンスだけで大体分かるものだ。
やはり即興はセンスが重要だもの。


ここらで参加者の中からカードや身振りを使って指揮をして見たい人は居ませんか?
しーん。
なんど呼びかけても、シーン。
100人いようがこんなもんである。
やりたくないのか失敗が怖いのか?
失敗を恐れさすようにした点に日本の音楽教育の失敗を感じる。
とにかく人目をきにしましょう。
せっかく音を出して参加する意思で来てくれた人の中でも
こういうところには如実に出る。
こんだけの人を自分の思い通り操れるのはとことん面白いことなのに。
実際1部で僕はやってみて妙に気持ちよかった。
アジテーターとかテロの首謀者なんかもこんな気持ちか?
楽しい反面恐ろしい。


誰も出やしねえなあ、情けない、と思っていたら
我が友人にしてベルギーよりお越しの身長2m7cmグレッグが挙手。
いえい、やるぜ、言葉の壁もなんのその。こうでなくちゃ。
なにせ体がでかい、手足が長いのでカードの指示よりも身振りによる指揮が
誰よりもダイナミックでよかった。


最後に首謀小島さんが参加者一人ずつに音をパターンで重ねていかせて
最後に全員演奏になっているという、いわばボレロ
ウクレレあたりの弱音楽器から初めて最後にはドラムまで巻き込んだ
壮大なボリューム、これは結構「音楽的」だった。
これにて大団円。


終演にあたってアサヒビールのかたがたからのご挨拶。
ここで気がついたのだが、客席、3分の1がた途中で帰っている。
けして退屈する内容でも教育に偏るでもなく、
まあたしかに参加者に向けて必死だったがエンターテイメントするように
気を配ってはいたが、この結果。
まあ通常のロビーコンサートではクラシックなどの音楽鑑賞をしている
ということで、まあしょうがないのか、いや違うな。
与えられる音楽を享受するのが音楽を体験すること。
これが日本における(他所は知らん)正しい音楽鑑賞だ。
自分で考えたり感じたりするのは面倒だ。
分かる・分からない、で音楽を捉える、そんなもんさ。


片付けの後打ち上げ、東京勢ベルギー勢追加参加者勢交えて
にぎやかに。
さすがビール会社の打ち上げ、鬼のようなビールの量。
しかし手酌が好きでがんがん注がれるのには閉口した。
途中でビール飲むの止めた。つらい。
後気になってしょうがなかったのは、ワークショップなど気合を入れて参加してくれていた
アサヒビールの担当者が突然二日前に移動で居なくなったところだ。
何があった?
会社というのは恐ろしい。
俺は一生勤めれそうにない。


一次会を終えて二次会に軽く顔を出す。
終電に合わせてヤニックと数人と席を後にする。
そしたら終電前に立花で事故。
まったく動かない電車。
乗り継ぎ不可能、さあどうやってごねてやろうかと思ったら
大阪駅から取り残された客は全員タクシーフリー!
これには驚いた。
さすがJR西日本、いつぞやの不始末で反省の鬼になっている模様。
ヤニックの大荷物を便利に運べてよかった。