高岡大祐ソロ@松山ミライカナイ

高岡大祐tuba

朝起きる部屋。
まあまあの二日良い。
だけど貧乏性のためつけてもらったオプションの
朝食が外せない。
ふらふら起きて食堂へ。
めったに見ないニュース拝見。
北朝鮮テポドンを発射したとのこと。
でも全部海に落ちたらしい。
テレビ人たちが一様に深刻な顔で怒っている。
第一感想は「イスラエルやガザだったら、わーい不発だあで終わりじゃわい」というもの。
第一テレビだから本当かどうかわかんないし。
だからテレビは見ないのだ。

地元色の全くない朝食を食べてもう一度部屋でへたり込む。
ここはおもてなしの温国・松山。
チェックアウトは目前だがその性質が反映されているかどうか試す。
正規の時間を1時間すぎたあたりで電話がなる。
それからシャワーを浴びてアウト。


山内さんがなかなか出てこない模様。
待ってるふりをしてロビーでぐったりする。
すると一人のおばちゃんが何も言わんのに
コーヒーを持ってきてくれた。
無論タダ、おおきに。
しばらくすると別のおばちゃんが
「これアタシのだけど」とビニール袋に入った
凍らせたバナナと氷水を持ってきてくれた。


さらにしばらくするとおばちゃんら二人できて
「向うに資料室いうのがあってそこのでっかいソファーでゆっくり寝ててもええで」
とのこと。


さすが温国のおもてなし。
いたれりつくせり。


少しゴロンとしていたら山内さんから電話。
一緒に出かける。
大学の事務室にご挨拶。
発狂寸前の昨夜の告知ポスターをはぎとる。
このポスター、危険なことしか書いてない。
これじゃ俺、まるで人殺し。

昨夜来られていた女性の感想がすごかった。
「あなた(僕のこと)は、霊能力者が、嫌い」
それ感想かあああああああ???
腰ぬけた。


学食で昼食。
ちょっと楽しみだったが残念。
特にうどんのしょっぱさに文句あり。


荷物引き上げて今日の会場である
ミライカナイへ。
先月金沢を旅していた時に
お客で来られていた方が紹介してくれて
決まったソロライブ。


大地さんときみこさんに挨拶。
シソジュースをいただいてしばし歓談。
今日の泊先であるすぐ近所のユースホステルへ。
ユース!
4歳から一年間両親と欧州ヒッチハイクしたときに
散々泊まったユース。
日本では初めてかな。


受付で堪えきれず爆笑。
駄目じゃんかこれは!
秘密。


部屋は2段ベッドで普通のアパートみたい。
しばしゴロゴロ。


いい時間になったら店へ顔だし
その後散策へ。
松山には口八丁の相方アリ君が
松大ダンス部鑑賞のために通っている、
彼からと大地さんからうかがっていた
モアミュージックというレコード屋さんへ。
結構歩く。
広い店内。
久しぶりのレコ屋楽しい。
せっかくだからほしかったダニエルジョンストンの
新譜を購入時にご挨拶。
大変丁寧に話して頂く嬉しい。
丁重にもてなされ店へ駆け足で戻る。


お店はびっしりの人垣。
昨日僕を見た人で多くて2回目、ほとんどは
初めて僕を知るという40人。
眼前に80の眼。
それも目前。
どこ見ていいのかわからない。
アローンだ。


得意なのでコラメンタリティから始める。
フェラクティ、アフロビート。
循環呼吸、ベースとメロディーの往復など。
目の前にいながらにして感想は読めない。
こんなものを見るのははじめてだろう、
僕も見たことないのだもの。


演奏をするようによく喋る。
これは昨日の影響の引きずりでもあろう。
自分にしちゃMCなんてラップみたいなもんだ。
わろてくすぐりおどしてすかして。
どこにあろうか音楽は。


昨日と打って変わって全編曲演奏。
広義の意味では即興演奏ではない。
エンターテイメントの要素強い。
10代から憧れていた80年代ボビーマクファーリンの
ソロとラサーンローランドカークの演奏のスタイルに
似てきたのがとても不思議だ。
あの頃はどうあがいても出来なかったというのに。
関係なく追い求めてきた特殊奏法を
結び合わせるとこうなるとは。
夢が叶いつつあるような思い。
なので人の反応がどうしてもわからない。


ともかく2部がっつり。
アンコールのようなものが来て
それは時間がギリギリで
淡々と極小音量でグッドバイポークパイハット。
ありがとうございました。


僕も誰もお互いを知らないところで
音楽だけで初対面というのは理想的だ。


終演後は打ち上げタイム。
きみこさんの心尽くしの手料理が嬉しい。
大島のけーはん(鶏飯?)は陳皮とにんにくとお出汁があいまった汁ご飯でたまらない。
お酒も進む。
ここでなんとなんとあの漫画家和田ラジオさんとご対面。
ご近所さんということで来ていただけた。
FAXで原稿を送り続ける日本唯一の漫画家。
ウィーンに住む小さなダンサーが大ファンの。
とても楽しい方でこれまた話も酒も弾む。


最後に大地さんに言われた
次は音だけをもっと聞きたい、ということ。
話を最小限にして。
それは本当にありがたい感想でして、
染みました。
言葉も音も並列だけど
言葉は自分の臆病さから来る過剰なサービスの
表れでもあることは事実。
ありがとうございます。


松山の夜はなんと明るいことか、
と思っていたら、もう朝でした。