3/11のソロライブ。

会場のショヴィシュヴァはブラジル音楽のレコード屋でブラジル音楽のライブ会場。
ブラジル音楽を全くやらない僕ですが、ここで結構前からライブをやらせてもらっている。
先月突然何かの閃きでここでソロがやりたい、となってお願いした次第。
(僕は思いついたことをすぐ実現したくなるので、ブッキングが直前になりがちだ)


やりたい、といいつつ何をやるかは決めてなかった。
ただ、最近よく使っているメタルボールの準備と、
全身運動を伴う演奏のために動きやすい服装くらい。
solo de corpo inteiroというタイトルはfull body soloをポルトガル語に直訳しただけ。
ここにもよく出演する泉邦宏さんに「全身音楽家」と名付けたのは僕らしい。
(実はよく覚えてない)
僕は、なんなんだろう、
全身音楽家、ではないなあ、
一つの楽器に対して全身を余すことなく使うのは確かで、
今回は全身独奏、とした。
全身で、ぼっち、かよ。
ライブ前はお酒は控えめにカシャーサをロックで一杯。
子供の頃に開高健の本で覚えた酒だ。
お店の人たちもお酒好きで、会話も楽しい。


さて、演奏、は、
終わった後はいつも思うが、「そんなつもりじゃなかった」
お店でかかっていた音楽や雰囲気、会話した内容に少なからず影響を受けて
演奏する内容は変化してしまう。
もし何事があっても変化することなく、自分のやることを「決めて」、
それをただリハーサルや準備なしに行うのを「即興」といえるなら、
僕のは何だろう。わからん。
とりあえず、自分で即興、と言えるのは、
何をやるのか本当にわからなくして、
やりたいことをやるのではなく、やるべきことをやる、
それまでにやったことがないこと、
うまくいくいかないは別にして挑戦することだ。
(僕の場合、その挑戦は多く技術的な問題で、出した事のない音、出せなかった音、出せない音の演奏に挑戦する事が多い)


影響、されたなあ。
いわゆる音階というものをあんなに使うとは思わなかったし、
リズムの要素も強かった。
自分がこれから出す音の予想がつくとあっという間に飽きるので、
人力で音を変調し、どんな音が出るかわからないようにする。
たまに自分で驚く、殆ど他人が聞いているみたいに。
その音をもっと聴きたい、どうすればもっと面白く刺激的な音楽になるのか。
そうすると、次に出す音の予想がついて飽きる、と会うことなくて、
自分の演奏を楽しんで聴くことが出来る。
中田くんの楽器ではないが、自分の中に「バグ」を起こさせてそこから発想する。
思い通りに楽器から音が出るのは、案外詰まらない。
聴いたことがない音、知らない音楽を自分で、ソロで演奏する難しさと醍醐味。


影響されたといえば、
メタルボールが発する倍音や台のつもりで置いていた打楽器群が出す音の音程が、
全て明確に聞き取れて、
面白い鍵盤楽器と共演しているような感じにもなった。
かなり助けになった。
結果的に意外だったけど、ブラジル音楽、ぽかった気がした。
パスコアールやトンゼやウァクチが好きで、
でもそれ風にやったらもう意味がない。
独創を素晴らしく思うなら、誰もやってないことを自分がやるべきなんだと思う。
とても良い機会を貰いました、
かなみちゃんありがとう。


終わった後は手加減なしで飲む。
酒は口を開けて上を向けばいくらでも入る。
かなみちゃんのお手製おつまみが美味しくてグイグイいける。
写真は最初のセッティング、また踏み潰したメタルボール、
感動のあまり床に倒れこんだドン(嘘)