めだかといっしょにきく音楽会 @宮崎 木城えほんの郷 with 巻上公一/太田惠資 その1

昨日ツアーから戻りいきなり羽田から宮崎へ向かいます。
久々の東京朝の通勤ラッシュは厳しいです。
人は無言でぶつかっていく。
なぜこうなるのだろうか。
そういえば藤巻くんは旅の途中に「大阪の人は親切ですね」といっていた。
確かに、エレベーターに相乗りする時は大抵挨拶や会釈位はする人が多いし、
マンションなどならなおさら、
飲食店や市場の人達は来場者とよく話す。
思えば当たり前の事だと感じるが、
東京に長くいると違うのか。
どちらが特殊かといえば、どちらかというと東京などの大都市の方かと思っている。
飛行機に乗るのはかなり苦手で、
というのは、飛ぶのが怖いわけでは全くない。
四歳の頃から乗り続けているわけであるし、
落ちる時は一瞬で苦しまないだろうからそれは別にいい。
楽器の運搬に関してあれこれ考えて行うのが何より苦痛なのだ。
たいてい揉めるか問題があるし、
受け取りの間までは壊されるかどうかの心配をし続けないといけない。
国内便で壊された事は幸いにしてまだないが、
海外便では数えきれない位壊されたしなんの保証もない。
その度にひどい気持ちになった記憶が強くていつまでたっても慣れない。
空港にくるのが好きな友人知人が何人もいる、
その気持ちはわかるのだけど、この荷物の不安からは楽器をやめない限り永遠に自由になれないのだと思う。
そうこうするうちに羽田についた。
登場手続きをすませてあとは荷物を預けるだけだが、
不安だ。


今回は巻上公一さんと太田惠資さんと三人でえほんの郷というところで演奏する。
なにやら、メダカの気持ちになるらしい。
人の気持ちになるよりも、魚や虫の気持ちになる方が自分は得意なような気がする。
地図で調べると宿泊場所から歩ける範囲に、河口域から海に繋がる川がある。
忙しいスケジュールなのだが、一瞬でも釣りができる可能性があるのなら、
いつでも道具は持参する。
今回最低限の装備、それで竿は3本リールは二個準備した。
タモは諦めた。
チヌの名所らしいが釣れたらどうしよう。
海に飛び込んで引き上げようか。
リールの一つは、もし今回の釣行で良い働きをしてくれたら、
現役引退をしてもらおうかと思っている。
1年以上毎回のように酷使した落とし込みリールで(専門的で申し訳ない)
最もシンプルな構造で壊れにくく、
そして離島での島ごもりや旅先での重要な食料調達にも非常に役だった。
しかし、中古格安で手にいれた上に酷使に次ぐ酷使で大事なパーツが落ちてなくなってしまい、
自分でネジなどで代用して修理していたが、
もうそろそろ限界が近い。
余生は、これから誰かを釣りに連れて行く時に
使ってもらうようにして、
のんびりしてもらおうと思う。


とそうこうしているうち、実は機内にいる。
荷物は何とか預けれらた。
「壊れても知りませんよ」というのは何時も無粋だと思う。
気をつけます、くらい言って欲しい。
手荷物検査の列に並んでいて、しまった、
釣具の中にフォーセップ、魚にかかった釣り針を外す専用の鉗子を
いれているのを忘れていた。
見かけはハサミのようで、工具もダメだと書いてある。
最初から「ハサミじゃなくてピンセットですぅ」といって難を逃れた。
随分前に米国内線で爪切りが持ち込み禁止だったのを思い出した。
アメリカでは爪切りでハイジャックができるらしい。
40本近く入っている釣針は見逃してくれた。
実は釣り道具を持って飛ぶのは初めてなのだ。
捌く用の刃物類はtubaの中に入れてある。
一応まな板と簡単な熱源も用意した。
保温マグカップで調理もできる準備。
最低限の調理器具を持ち歩くのは20代の頃からの習性で、
おかげでお金がなくても海外でなんとかなったりした。
4歳から5歳まで両親とヒッチハイクで欧州を旅した時、
調理道具は常に身近にあった。
その延長だ。


待合及び機内では、久しぶりの巻上さんと話題が盛り上がりすぎる。
メダカの学校は小田原の歌だ、それでだろうかな。
今日はリハーサルが長い。
何をするのか出演者にはまだ全くわかっていませんが、
全く不安はありません。
このメンバーですから。
さて、どんな日々になるでしょうか。
僕は釣りの時間を持てるのだろうか。
ひとまず。

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えほんの郷は山の上、空港から車をぶっ飛ばして1時間ほどのところです。
なんでもいろいろあって、「村おこしじゃなくて、村起こすな、寝てれ」という、
この、村起こすな、っていいですね。
村おこし、ってろくなのを見たことがありません。
それにしても人里遠く、お客さんは来るのだろうか。
「うちは、不便・不親切、です」最高。
「田舎なので都会から有名人とか来ると名刺持ってきて自己顕示しにくる田舎者が多いので
『お前のためじゃねえ、メダカにきかせる音楽じゃ』となります」
わはは、それまた最高。


なんとなく、今回のメンバーが決められた理由がわかってきた。
人間以外なら、僕は得意だ。
里山の風景というのはなかなかあるようでないところで、美しいです。
昔は宮崎最大の縄文の部落だったそうで、どんぐりやしいの木がいっぱい、鹿もイノシシもいっぱいで、豊かそうな山。
少し歩くき、山肌をほじくると、土がいいことがすぐわかる。
施設には絵本がいっぱい、子供の頃に読んだのが一杯で懐かしい。
働いている人たちもいい感じの年配の人たちで、話も面白い。
猟や釣り、食い物の話でやたらに盛り上がる。
舞台は池の上にあり、水底には魚たちの姿が。気になって仕方ない。
鮒とカマツカがいるそうだ。鯉は誰かが釣ってしもうた。
面白いのは、楽器を間近で吹いても、ベルを水面に向けて吹いても、
魚は逃げやしないのだ。
ただ、床から水面に伝わる振動には敏感に反応する。
これは、釣りの時の移動の参考になる。




ホテルは山を降りて車で30分、海の近くで、
幸運なことに無料の自転車を借りて夜10時から出発、
釣具は最低限を持ってきている。もちろん夜釣りの態勢だ。
真っ暗闇を突き抜けて海へ出れば一面の茫々とした激しい波の砂浜。
そして神社の行き止まりから道を折れて漆黒の闇も林の中を駆け抜けたそこは、
「ここにいてはいけない」雰囲気が漂っている。
や、霊感とかそういうのは全くないのだが、人のいない夜釣りの場所を探していると、
「ここにきてはいけない」って場所は、結構あるのだ。
なんだか供養碑みたいなのも目の端にあるし、急いで退散。
これでは釣りにならないと、堤防探して1時間、
大きな川沿いを中心に河口域を走り回るけど、良いポイントはなく、
最後に見つけたのは川沿いは現在禁漁であるという非情な看板。

ここで気持ちを切り替えて、スーパーへ、
音楽→釣り→料理、だ。
魚をさばく道具と簡単な調理器具、古い電熱調理器は持参している。
大手スーパーだけど地元産の食材はある、ついでに安い雪平鍋も手に入れて、
ホテルの部屋に戻る。
まずは安売りの地元のクロ(メジナ)の刺し身、鯉の洗いで乾杯。
霧島豆腐という硬い木綿豆腐は大当たりでそのままでもうまい。
昆布でだしを取り、フンドーキンの無添加麦味噌で鶏を炊く。

電熱器は火力が弱いので、ポットでお湯を沸かし、
持ってきた保温マグを余熱調理器として鶏を下ごしらえして、
それから味噌で煮る。
熱々をそのまま食べる。宮崎は鶏が有名ですね。
最後に冷凍の小分け細うどんを保温マグで解凍して、
鶏だし味噌煮込みうどんにして〆。
鍋と酒入れて2000円以上使ったけど、これで何食か作って楽しめるので
悪くはない。
今回はなんと、酒を飲むのが僕だけなので、飲み会とかがない…。
なのでこうやって楽しむのです。