天田透fl,bfl,cbfl 高岡大祐tuba

先日芳垣さんとともに初共演した天田さんと今度は二人で。
車で来場、「フルート吹きは荷物が軽くて良いよね」なんてよくいうが、天田さんには当てはまらない。
引越しか!
この日はお店の音響設備を使うかどうか決めかねていたので、天田さんは自前のシステムを持ってきた。
これが驚いたことに、自作スピーカーで、なんとツイーターまでついている。

細部に至るまで納得行くように配慮する人柄を感じた。
しかしここで問題発生、ここ茶会記は演奏スペースが厨房からも独立しており、かなり静かで(それは望むべく事なのだが)
スピーカーを鳴らすためのパワーアンプの騒音が意外と大きく聴こえてしまうことだ。
考えた末に、お店のPAを借りて使うことに。残念ながら使われないスピーカーは出しっぱなしで。
ライブは1部お互いのソロ、2部はデュオで。
ソロは最初に僕から。特に何も考えてはいかない。結果的には天田さんと非常に対照的なソロとなった。
天田さんのソロは結構茶目っ気もあって、そしてすごく楽器にインしている。ある種、正統派、といっても良いくらい、楽器に対してストレートな演奏だったと思った。
とはいえ、それは彼と楽器のこと自体がすでに特殊ではあるのだけど。
あとで考えると、天田さんのソロに比べれば僕の演奏は楽器性からも離れたものだったかもしれない。
殆ど単音で音階的な表現はせず(だったと思う)
どちらが良いとか悪いとかでは全く無いにせよ。
2部はデュオ。こう、なんというか、二人で目的も目標もない絵を描いているような気分になった。
すごい速度の中で、お互いが筆を走らせる、その筆先の先に、自分はこの筆を、色を、音を置きたくなる、そういうものの連続。
楽しかったのだ。
音楽的語法を使用しているという感じがないのが(勿論天田さんの演奏技術はとんでもなく素晴らしいのだが)不思議だった。
非常に清々しい気持ちで終えることができた。
個人的には、管楽器で自己の限界を突破して未知の世界へ行こうとする、素晴らしい管楽器奏者と出会えたのがほんとうに嬉しい。
これからもとても楽しみです。