坂田明reeds ジム・オルークg 高岡大祐tuba

会場のdressについたら坂田さんたちはもう食事に出ていた。生音でOKなので特にチェックする必要もない。
僕もとてつもなく空腹だ。朝食べて以来だ。慌ててそのへんで食事。長崎ちゃんぽん、うーん、やっぱり外食は難しい。
久々のジムさんと、坂田さんとのトリオは初めてだ。
ジムさんの新調した古いギター、ギブソンのジャズモデル、ボディがある箱ギター。ものすごいいい音。
さて、この2部ステージ。もう目ん玉と内臓が飛び出て全身が爆発するかと思うくらい、吹いた。
吹いた吹いた、もう吹けねえ、というのが演奏開始直後にやってくる、もう吹けない、から吹く。
坂田さんもジムも珠玉の音を凄まじいスピードで鳴らしまくる。僕に何があるのか。
もう今までの経験も技術も表現方法もからっけつになってから、吹く、ただ、吹く。死ぬかと思った。
自分がプロミュージシャンである持ち物とか、かなぐり捨てた演奏。いったい、なんだったかは、自分にも分からない。
心身ともに撃沈寸前の疲労だったが、なにか大きなものを得た、気がする。何かはわからない。
このあとの打ち上げも坂田さんは絶好調。坂田塾が坂田学級になり坂田大学まで発展するような面白おかしい大言壮語抱腹絶倒。
坂田明67歳。凄い。元気だ。こんな元気な人ってあんまり見たことがない。
濃にして厚な、丸一日だった。


撮影:西岡浩記