昨日のこと、今日のこと、東京より

この日記は17日に書いたものを日付の都合上一日前の16日の日記に移しました。
うまいことよんでくれたら嬉しいです。


元気ですか?
こちらはなんとかやってます。
Twitterでは色々書いてました。

昨日、書き忘れてました、ライブ中止してました。
すみません。
会場の千葉は場所にもよりますが危険な状態です。
あまりいわれていないそうですが、東京のほんのとなりの浦安(ディズニーランドで有名)でも
ガス水道などライフラインがなくなったり、海辺の方面では広く地面の液状化現象が続いています。
会場であるキャンディは稲毛というところにあり、海辺です。
音楽を愛するママさんの苦渋の決断により中止決定。
今回はじめての会場からの中止でした。


東北の被災地に楽器を担いで今こそ音楽を!とかいうていこうとしてる馬鹿者がいるらしい。
ボランティアだって飯も水もガソリンも全部自前でできてその上でなんか出来る人しかきてはいけないのに。
千葉はみかけそれほどでもないけど、被災地です。少なくとも東京よりは。
今後の無事と安全を祈ってます。


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ということで昨夜はフリーになった。
こんな中でも東京ではライブを開催するという人はいるし、すこしずつ増えてきている。
こんな時期にライブなんか、と非難されることもあるし、
今は楽器を持ち歩いていると白い目で見られる。ほんとに。
今回のことがあるなしではなく、これしか出来ない人間もいる。
良い悪いは、本当にわからないものだと思う。
どうか彼らを責めないであげて欲しい。それしか出来ない人もいるのだ、僕を含めて。


楽器持ってきたら参加可能、というライブやセッションも多いのです。
メンバーが揃わなかったり、機材がなかったり節電アコースティックにしたり。
なにせもう東京にはガソリンが余りありません。少なくとも手に入りにくい。
車で移動する人たちの足が徐々に無くなっている。電車は徐々に元に戻りつつある場所も多い。


演奏したくて仕方がない今の僕にはどれも魅力的なお誘い。
しかし、ちょっとまて、高岡大祐、お前は元々セッションが好きか?と問えば
今の自分はセッションよりもやりたい人やりたい場所しかやりたくない人では?
身体から絞り上げるほど、音が出したい、でも本来の自分を忘れてはならない。
僕はただの、音楽好きだ。


そう多くはないけどさすが東京、数多の行きたいライブの中からひとつ選んで渋谷へ向かった。
さがゆき、水谷浩章の新しいバンド「うずらぎぬ」ストリングス付きの豪華版である。
少し遅れて入ると会場のクラシックスの中はさすがに人は少ない。
真ん中に少しだけ照明、まるくかこむように、さがさん、水谷さん、チェロ、ヴィオラ、フルート。
水谷さんの背後に座る。


もう説明する言葉はない。
一生忘れられないだろう、温かい光景。
立ち、慣れぬギターを構え、生声で歌う。
ストリングスとフルートの妙なるハーモニー。
水谷さんのコントラバスの背面からこちらに響く音が、たまらない。
もう涙腺でも壊れたのかというくらい、涙。


来て良かった。
いま東京にいることを、幸運だと思うくらいに。
この夜のライブも自分のライブも。
終演後の不思議な幸せを感じながら、
もしかしたら、今の東京には、とてつもなく真摯で素晴らしい音楽シーンがあるのではないか、
と思うようになった。


ライブやイベントを中止せざるを得ない様々な事情を、音楽家も会場も聴衆も抱えている。
もしかしたら、やってるほうがおかしいのかもしれない、と思うこともある。
しかし、音楽を心から愛するいちリスナーとして、ほんとうに素晴らしいことが、今あるとおもう。
うまくいえない、言葉にならない。
だから、音楽、なのかもしれない。


偶然今月はほとんどを東京で過ごす予定で上京した。
誘われるほど人気も仕事もない僕は、ほとんどのライブを自分でブッキングしている。
やりたい、死んでもやりたい、それはいつもの自分だけど、
共演者もお客さんも会場も、そんなことに巻き込んではいけない。
物凄くもろい壊れ物のような状況の中で、一縷の望みをかけるように、ライブの開催を願い、行う。
いちいち、奇跡のように思える。


東京は東北の被災地ど真ん中ではない。
こんな時に音楽なんて辞めてしまえ、という人はいるし、
経済活動を止めると日本は終わるし、みんなを癒すためにも音楽を続けて、
という人もいる。
僕はそのどちらでもない。
(経済活動のために音楽をやるのなら、もっとも非効率で頭の悪い選択だ、特に僕のような音楽は。)
根源的にはなぜか分からない。
しかし、どうも、どうしても止まらないようだ。
ここ数カ月いってきたこと、決め付けはしない。
絶対やるも絶対やめるも、ない。
ただ、細い糸のようにでも、出来るだけ、続けたい。
個人的なことで失礼な話だが、音楽は僕にとって生きることと同じことだ。
どのようなかたちでも、音楽にはなるのだけれども。


ああ、もう言葉ではうまくまとまらないな。
ネット上には素晴らしい言葉や文章で、音楽について書いている人たちが沢山居ます。
僕はそのようにはなれない。
しかし、このままです。


今月から来るはずだった来日演奏家の来日キャンセルの報が相次ぎ、
ライブもこれからいくつもが中止になるでしょう。(正直頭がいたい)
東日本を離れる人達も多いです。
事情はそれぞれに違うのだから、どんな人も責めないでいたい、せめて音楽関連は。


色々な感情が溢れ出します。
最近疎遠だったりあまり仲良く出来ていなかった人達と、連絡を取り合えるようになったり。
複雑な気持ちですが、本当に僕は今ここにいて良かったと思います。


これから出来る限り多くの人が無事で入れますように。
自分の無力さに、嫌気がさして塞ぎこみがちでしたが、まだまだ、まだまだ。
踏ん張ります。頑張ります。
ここはまだ、大丈夫な東京。


皆さんも元気で。
また元気で会いましょう。
帰ってこい、と言ってくれる地元の皆、ごめんなさい。
今のところは予定通り、月末までここにいます。アホですね。


今日もライブです。
http://www.bloc.jp/daysuke/

あー、俺ほんまに文章あかんわあ。堪忍してね。推敲してません。