eric/daysuke/瀬尾高志@渋谷バーイッシー

このツアーに入る前に北海道ツアーを共にした札幌低音の雄・瀬尾高志とトリオ。
エリックの評判を聞きつけてかお客さんもいっぱい。
最初は瀬尾くんのソロ。

彼らしいコントラバスのボディをフルに鳴らすこと(それは通常の演奏法とかと関係ない)に集中した
生音らしい表現。ブラボー。
そしてエリックのスネアソロ。皆が始まる前に息を飲んでいるのが感じられるが、始まったら皆息が止まった。

なんなのだろう、この音楽は。
未知なのだが既知。新しいというよりは太古。あ、太鼓か。

終わった瞬間、客たちが叫び始めた。今一体何が起こったのか?
瀬尾くんが顔クシャクシャにしてほとんど泣いてる。
僕も全身がイッパイイッパイだ。
しかし僕はこの後ソロなのだ。
エリックのソロが物凄い音楽であることはよく知っている。
そしてそれはここで恐るべく、発現された。
それを承知で自分でエリックの後に自分の順番を置いた。
恐ろしい。この後に何ができるというのか、お客さんは何を聴こうと言うのか。
その場に自分を置いてみたかった。エリックに返すものがあるのかないのか。
どうだったろう。自分のことは分からない。しかし悔いを残すことなく演奏した。


2部は三人でトリオ。
瀬尾くんいわく「物凄く繊細で、ゆったりしてるのに、光のように速い」トリオ。
最後の終わるところ、盛り上げたわけでもフェードアウトでもなく、サインを送ったわけでもなく
すとん、と予定調和もなく終わった感じにすべてが現れていたと思う。



嬉しそうな瀬尾くんの顔とエリックの吸い込まれるようなサイン。
ぎゅっとつまった眼前の空間に突然現れた信じられないような音響を楽しんだお客さんの残気を感じる。
これにて一度我々はこの場を離れて西へ向かう。