旅を終えて閑話休題

daysuke2010-04-14

私は日本人で更に関西人である。

こないだ関西でライブやって少し凹んだ。
自分のことではないのかもしれない。


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欧州での仲間たちと欧州でやってる音楽環境の最たるものは
普通のバーやカフェなんかでのライブだ。
内容は変わらず自分たちのインプロやオリジナル曲だ。自分はソロもやる。
基本的にギャラは保証だ。カフェライブは入場無料。
告知をする必要もなく客はだいたいいつも満員御礼。
聞いている客もいるし聞いていない客もいる。
これはクラブなど演奏中心の場所でも変わらない。
演奏中は結構うるさい。


そういうところで彼ら演奏家はどうしているかというと、
うるささとかを気にせずにただ演奏するのだ。
ある意味集中力が必要となる。自分の鍛えられた。
基本的に聞いていない客のほうが多いと思って良い。
そしてギャラはたいてい保証だ。店が払う。
ライブやると呑み代がどーんとあがるから、そっから金も出せるし店の評判も上がる。
お金を、客から貰っているという自覚は育ちにくい。


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欧州のバンドと関東方面でやると、
お客さんやお店の人たちは基本的にそこで行われる音楽に興味のある人が集う。
(僕がブッキングするところは、ですが)
人口が多いからマイナー(といいたくないけど)な音楽に興味をもつ人も地方より多いし
積極的に聞いてくれる。ありがたい。
だから欧州の人間からすればこういう客は「great listener」ということになるわけ。


関西にやってくる。
やはりそういう音楽のリスナー数はぐっと減る(現状では)
なので対バンを入れたり異分野の場所で絡めたりあの手この手でライブ制作を考える。
つまり自分たちの音楽に興味のある人だけが来る場ではないのだ。
そこにいるのは「great listener」だけじゃない。

魅せつけないと、惹きつけないといけない。
媚びへつらってではなくて(受け狙いを僕は憎む)、自分のやりたい事で、
それを伝えて初めて見る人達を楽しませなくてはならない。と僕は思う。


じゃあお前の演奏はだれにでも楽しめるとでも思っとんかワレ、と言われると
悔しいかなそうではない場合もあるだろうと思う、苦い。
でも、うまく言えんけど、ちゃうねん。
こんだけ練習しました、とか練習の成果をお見せしますとか、ぼくはこれが好き、とか。
そんなんとちゃいます。そんなもんいらない。(演奏家が練習するのはあったりまえだのクラッカー)
なんかうまく言えへんけど、お客さんにお届けしたい何かがある。


リハを見ているよう、というのはライブの最もひどい評価の一つだと思う。
僕はそんなこと言われたくない。


自分の信じる好きな道をやっているのだから、ほっといてくれ、といいたくない。
でも客に受けたからそれが全て、では絶対ない。
そして僕はgreat listenerではないそこら辺の通りすがりの人までも音楽で喜ばせてみたい。
自分の音楽で。


リスナーとしての僕は(そしてこれが音楽家としての僕の大部分ではあるのだけど)
客の受け狙いなんかしないで誰になんと言われようが自分の道を行く音楽家
尊敬し応援したい気持ちがある(勿論全てではないにせよ)
ただ、なぜ客の前でやっているのかさっぱりわからないような音楽をライブですべきではないとも思う気持ちもある。
引き裂かれる。決めれない。どうしよう。
いつまでたっても未熟な自分は何も決めれないでいる。


なんも関係なくやりたい事思いっきりやって、そしてそれで客の心を思いっきりつかみ喜ばせたい。
まだまだ道は長い。
長生きしないとなあ。


私は日本人で関西人で、そして猛烈に大阪人だ。