キッチンライブ@谷町ポコペン

高岡大祐tuba オニ(あふりらんぽ)L&S(益山寛司+BAB)

3時間睡眠で朝6時半の電車に乗って一路大阪へ。
何で飲んでいるときにはこれに気がつかないんだろう、という久々の大二日酔い。
歩くのも辛いが加えて荷物が重い、大部分を宅配便ですでに送っていたにもかかわらず
ふるいモニタとか手に入れてしまうからだ、すんげえ重い。
全部荷物を持って階段を登ると息が出来ないくらい、たぶん5〜60kgはあるだろう。もっとか。
何も食えず冷や汗をかいて大垣くらいで復活。
9時間半かかって大阪へ、そして根城ポコペンでライブ。
先々月のキッチンドライブという演劇のゲスト出演者でのキッチンライブ。
昨晩は最終日だったか、あふりらんぽのオニと僕、それにバブちゃんとカンジ。


寸劇とお互いのソロ、2部では本当に何が起こるか分からない即興共演。
ライブでしたが、ミュージックライブと果たしていえるか、という境界を越えたものでした。
オニは2部で炊き立てのご飯でおにぎりを作って客に投げつけるし。
熱すぎて涙目で食べているお客さん。床に散らばるご飯粒。
思わず食べ物をオモチャにしてはいけません、といいそうになる。
しかしみんな食ってたなあ。


バブちゃんとカンジは4畳半の客席より狭い玄関とキッチンを駆け回る。
こちらもとりあえず走りまわる。
掛け声歌声なんでもあり。どんなものにも演奏付けます俺。
ふと「演劇音感」という言葉が頭に浮かぶ。

ハチャメチャなんだけど、これが我らがご近所さんコミュニティ特有のもので
お客さんもそれを分かっているし楽しんでいる。
未分化のこういうのがどかどかあるのが、僕が大阪この界隈を離れられない理由のひとつ。


+++



そういえば土曜は下北沢でマリオさんの息子さん、日曜は深呼吸で瀬尾さんの娘さん、
昨日はオニの息子さんと、毎日子供漬けだった。


またしてもいろいろなこと考えてしまった、電車の時間も長かったし。
子供と大人の境界線ってどこにあるんだろう?
子供がやっていることを大人がやったら、それはほとんどの場合アウトだ。
そうじゃない場合もあるけど、4歳児のように会話したら社会的にはほぼアウトだ。


子供のように純粋無垢に、という言葉をよく聞くけど、ほんまか、と思う。
そして子供が感じることが最良のものだとする評価もある。どうか。


自分のことで言えば学校に行くまでの子供の頃は楽しかった。
子供の友達なんかほとんどいなくて旅ばかりしていたからまわりはほとんど大人で
その頃知り合う大人たちは最高で、さらに独りの時間が最高に楽しかった。
集団と交わるようになり子供と一緒にいるようになって、
自分も子供の癖に、子供とはなんて嫌な生き物だろう、とずっと思っていた。
早く大人になりたい、とそればかり思ってもいたが、大人は大人で汚くてどいつもこいつも
うそつきにしか見えなくなってきて、クソ、死ね、とか思ってた(10代後半くらいか)。
つまりどこを見回しても楽しくなかった時代が長かった、子供時代。


子供から大人になったという実感は今もない。
子供の頃はいつか大人になるんだと思って、それを楽しみにしていたけど
基本的には5歳の頃とほとんど変わっていないと思う。
好きなことや嫌いなこと、そういったことは。


同じように正常と異常の区別も自分はどこにあるのか分からない。
ただ初対面で僕の音楽を「変態だ」とか言う人はまったく理解できない。
何度もあっていてもそういう人がいて、たとえそれが褒め言葉でも嫌な気持ちになって
殴り殺したくなることがある(たまにほんとに殴る、いまでも)。
奇をてらって音楽をやったことなんか生まれてこのかたない。


僕の形がほかになくて少数派で変わっているのならば、そんな境界線は突きつけないで欲しいし、どうしてそうやって人に境界線を押し付けられるのか、よくわからないので、
失礼な人には拷問でもかけたくなるときがある。(これは最近はしていない)


ただ自分でも、他人の音楽を見るに、どこかで見たような凡庸でありきたりでどこかでみたようなものをつまらないと思う気持ちは強いんだけど、どういうことだろう。
とにかく知らないもので美しいと思うものを見て聞いて、どきどきしたいんだ。
その知らないものは普遍的な事柄とつながっているのだと思う。
理由は要らない、理屈も興味がない。
言葉にならないことだけで、出来ているなにかが、とても好きだ。


しっかしなあ、俺は大人の所業が好きだ。
酸いも甘いも噛み分けて、とかじゃなくて、好きも嫌いもその波間を越えて
自分のやることに愛情を持って、もしそれが見たことのない形をしていたら
そういう大人を、ついついそれを応援してしまう。
努力、なんて言葉は嫌いだ。努力しているやつのものなんて見たくない。
自分のやりたいことをやる、とかどうでもよくて、自分のやっていることに対して愛情がなければ、それを愛していなければ。
俺は自分のことは嫌いになることが多いけど、音楽を嫌いになったことはまだない。
これほど好きなものがあって、幸せだと思う。


境界線ってどこにあるんだ?誰が決めた?
日本人特有の暗黙の了解で空気読んでいると見えてくるのか?
俺は知らない。勝手に線引きしておいてくれ。
ただ俺の目の前で俺の音楽に線を引かないで欲しい。


俺はそっちにもこっちにもいない。
俺はここにいることだけ、知っている。
音を発しているところに、俺はいる(難しい意味じゃなくてね)


+++


さて10日間旅して一日帰宅しただけなのにまた旅に出るのだ。
相棒ワタンベと今度は西へ、10日間。
知らないところにもいっぱいいく。時間はたっぷりある。
会いたい人もそこらじゅうにいる。出してみたい音がある。
相棒の変化はどうなっているだろう、知らない事ばかりで楽しみだ。
尾道、広島、山口、福岡、佐賀。
とてもとても楽しみだ。
http://www.bloc.jp/daysuke/