即興大好きvol.1@北堀江FUTURO

横沢道治per 高岡大祐tuba イガキアキコvln ワタンベds


東京から帰ってきてすぐにライブ。
横沢さんとはもう古い仲だ。
僕の関西での音楽活動の遍歴をほとんど見てきているといってよい。
ジェンベで即興演奏、というよく考えるととても変わった活動をしている。
もちろん楽器の来歴であるアフリカの音楽や打楽器の音楽に限らず世界中の土着音楽に明るい。
昔はトロンボーン吹きでNYにいっていたそうだが、帰ってきたときには打楽器奏者になっていた。
初めての共演はもう15年近く前になる。


ジェンベという楽器は一時異様なブームになって世界中で流行った。
非常にはっきりした音色の違いを一台の楽器で出せるということでプロも重宝し
たくさんのアマチュアプレイヤーが出た。
しかしなあ、今になって僕ら周辺のミュージシャンから「ジャンベ奏者です」と聞くと
半分以上は危険信号だ。
理由はあえて言わない。
ただ音が出ればよいだけの音楽家ではない人が多く、うんざりすることのほうが多い。
僕に関して言えば第一に自分が西洋の楽器をやっているのでさえ申し訳なく、
非常に理不尽なことをしていると思うことがある、とりわけ無反省に民族楽器をやっている人とは
根本的に話があわない。
そういうなか横沢さんは、非常に稀な”音楽家であろうとするジェンベ奏者”だ。


この恥ずかしい名前のイベントはこれが第一回で、今後横沢さんと僕で続けていくつもりだ。
ネーミングは横沢さん。僕にはこれはつけれない、いや立派だ。


FUTUROは以前良く演奏させてもらったところで僕は久々、イガキさんとワタンベは初めてだ。
細長い店内の真ん中に横並びに配置。
お客さんは満員だ。


最初のセットは横沢さんとイガキさん
少し甲高い調子のアンプを通したヴァイオリンの音と野太い打楽器音。
二つ目はイガキさんと僕、背中合わせの生音。
リズムがはっきりしていた前のセットと対極の方向性。
三つ目はワタンベと横沢さん。
リズム楽器二つだがリズムらしいアプローチをみせる横沢さんに対してワタンベは
ロールからはじまる非常に集中力の高い演奏でリズム以外のアプローチを見せた。


2部の最初はイガキさんとワタンベ、これはいきなり音で遊んでいるような状態から
アブストラクトなものへ。今日のワタンベは非常に冴えている。
最後に全員でセッション。
音量の支配力で演奏の方向性が決まりやすくなる、これが少し自分にとっては即興的と感じられず
自己表現より場を作るほうに演奏を持っていった。


大団円で幕。
第一回は成功と思える。
ただもっと自分から変わっていくようなものにしていきたい。
継続は力になるだろう。
第二回は5月1日に北海道のコントラバシスト瀬尾高志と京都から同じく宮田あずみ。
面白いことになりそうだ。