新旧の友人へ
あいかわらずいろいろとご心配かけてすみません。
ある程度お酒はいってますが、それほど酔ってはいません。
ちゃんと書きたいことかいてるのはいつものことです。
東京からバスで帰ってきてそのままいつもの芝居の稽古場へ。
先週はいろいろあって1曲もかけなかった。
バスの中でいろいろなことを思っていてふと曲が浮かんだ。
うまい曲名が思いつかない。
誰とやることがあるかもしれないのに、デュオのための曲でした。
今の自分をそのままに。
稽古が終わり、若い友人中心の集まりにすみませんが一言。
友人の形見のタバコをもしよかったら吸ってやってください。
この中で彼にあったことのある人はほとんどいない。
でもいま私を大切にしてくれるこの若い彼らと、いってしまった新君は
きっと仲良く慣れただろうと確信する。
僕はタバコは吸わない。
どちらかといえば体質的にも、とても苦手だ。
新君は最後に会うまでの数ヶ月、僕の前でタバコを吸わなかった。
別れの会でゴロワーズを皆に分けたのは不破さんだった。
最後のほうに「お前も、もらっとくか」とくれた。
その場で、もうタバコをやめた人たちも吸ってたっけ。
僕は吸わなかった。
生き方を変えてまで、供養できない性分だ。
(それは正しいとか正しくないとかではない)
新君のこと知らない彼らも僕の友人を悼む、ということでもらってくれた。
とてもうれしかった。
友から友へ、かたちのないものが続いていく。
僕はその中にいることを素直に喜んで生きていこうと思う。
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ひとつだけ、どうしても怒りとともに、あること。
古くから知るその人がこのときに言った事。
受け入れることは出来ない。
僕には尊いといってよい、誇りを持った生き方をした人を愛する。
さようなら。
よろしければどうぞ、僕の友達たち、彼に祈りを。
知らない人も、僕が愛したということで、彼を知ってほしいと思う。
帰り道すがら、最もいま近い友が、残りのタバコを全部もらってくれた。
俺が生きていたら、死んだあいつは生きているんだ、と
まったく同じことを言っていた、驚いた。
あの日から初めて一人で夜を過ごすので、少し怖かった。
今も少し怖い。
でもいつもわが身と心と一緒にあることは確かだ。
おやすみなさい。
今日も音楽はすばらしくいいものでした。