たそがれコンサート@兵庫県 箕谷小学校

ロマチカオーケスターwithワタンベ
瀬戸信行cl 登敬三ts 高岡大祐tuba 永田充per ワタンベds
山田中学校吹奏楽
女性コーラス・グリーンコア


神戸の小学校でライブ。
三宮駅で待ち合わせ、ワタンベと一緒に拾ってもらった車が
一月前の事故と同じ車、同じ場所でちょっと怖くなる二人。


トンネルを抜けるとニュータウンな感じ、堺の地元みたい。
山が見えて気持ちが良い。


PTA主催のイベントで体育館に人一杯。
演奏するのはロマチカオーケスター、ベリーダンスのバンド。
変拍子の嵐、力づくの男祭りオ−ケストラの名前のとおり、
汗まみれでお客さんの呆然を尻目にがんがん演奏。
やりたい放題である。
学校で行われる催しは基本的に見たことも無いようなものはなかなか無い。
こういうものを診るのは良い経験になったのではないだろうかな?


中学ブラバンとの共演まで。おじさんら全然溶け込めないでやんの。
ひたすら正しく演奏しようとする子達の間に悪いオヤジども。
登さんの野太いソロがこだまする。


ああ楽しかった。


山を降りてビールで乾杯。
いい心地になったところで階下を見下ろし
帰る前にそこらでいっちょうやりますか、と。


++++


三宮の駅前に楽器を広げ終電ぎりぎりまで。
懐には今日の仕事のギャラがあるし、もう酒も入って心地よい。
お客集めるためというより自分たちのために演奏。
これがめっぽう楽しい。
ワタンベは慣れないダウルというトルコの大太鼓でふらふら熱演。
路上ではなかなか見かけないトルコのダルブッカを叩きまくる永田君、
異様な音量と迫力で切りまくり迫りまくる瀬戸さん。


そして登敬三。
路上で聴くこの人の音は、最高や。
ぶっとさ、はやさ、つよさ、音楽の根本的快楽。
路上でドソロのドフリー吹いて観衆が沸くのはこの人だけだ。
力強いブローによる演奏は、ギターヒーローなみの説得力。

+++


演奏中に急に思い出した。
登さんと最後に一緒に路上で演奏したのはたしか13年前。
梅田阪急前でリブラフで演奏していたとき、
まだ生きていて、まだ歯があった大原裕と登敬三のバトルは今も忘れられない。
もう聞くことが出来ない、あのときの音はまだ体に残って離れない。


あのすごい演奏にしびれたときの僕は22歳だった。
あのときの登さんは35歳。
今の僕と同じ年だ。
誰かの心に一生残るような演奏を、しないとあかんわ。
共演者の生き方を変えるくらいの演奏を。
しびれるくらいにかっこいい、突き抜けた演奏をせなあかん。


13年前、大原さんはあの夜の直後に誰かに歯を折られ、その数年後亡くなってしまった。


登さんはあのままのトップスピードでずっと演奏し続けている。
年齢による衰えなんかまったく感じさせない強靭な演奏。
世界一好きなサックス奏者の一人だ。
ひょうひょうとした人柄や風貌から想像しにくいけど
演奏を聴けばわかる。
本当に強いと思う。
強さはただマッチョなだけではなく、周りに影響を与えるものだと思う。
この人にはいまだにまったく敵わないけど、あのような強い演奏は
常に目標だ。


そんなことを思いながら、音楽とお互いを楽しみにしている仲間と
自分の音楽の原点であるストリートで、最高に楽しい演奏して
ほんまに心のそこから楽しく、幸せな夜でした。