大黒天2@天満橋雲州堂

daysuke2008-08-09

大黒天2
【大阪 雲州堂】http://iori-unshudo.com/unshudo/


◆出演
 ドラびでお

http://web.mac.com/dr.ichiraku/iWeb/doravideo/welcome.html
 井上卓

http://3w.to/t1
 クリトリックリス

http://star.ap.teacup.com/clitorick/
 BOILERZ(高岡大祐+ワタンベ)

http://www.myspace.com/bolshoiz


++++++++


忘れないうちに、日記にしておこう。
体力的にもぎりぎりなので、誤字脱字御免。


帰宅しました。
こんなに遅く帰ったのは事故後初めてです。


+++++++


まず出発前、悩んだ。
tubaはない、最初は口の中に入るマイクとそれで鳴らすベースシンセだけのつもりだった。
この体調で、何が出来るか。
9日の朝は事故後で最も体調が良かった。
過信はない、いける。
借り物のユーフォニウムのような?謎の楽器、ベースシンセ、blowbassセットの真空管アンプ
笛とかほかにもいろいろ念のため持っていく。
杖を突いてキャリーで転がすのは予想外に辛い。
杖をほかしたくなる。


傷口くらいは隠そうかと頭に手ぬぐいをかぶる。
ちょうど傷の辺りに大きく「寿」と染め抜き。


+++++


炎天下を歩いて、雲州堂にたどりつく。
思い出した、数年前にここに出た時は、東京簡易裁判所で有罪がついたことを
店の前から母親に電話して伝えたんだっけ。


井上さんと一楽さんがすでに到着していた。
二人で同時にセッティング、井上さん先にチェック。
一同チェックが終わる。


さてボイラーズは何をしようか。
ワタンベは一斗缶しかもってきていない。
俺はユーふぉのようなものなどのセット、二人ともアンプ使用。
短い時間に賭ける。


酒はもちろんのこと全然食欲がわかない。
友人が死んだ夜でも飯を食う男が飯が食えない。
皆の和気藹々夕食に付き合い、危うく戻るのを忘れそうになる。


少し押してお客入り待ちを考えずにワタンベとステージに上がる。
ユーフォのようなもののベーアンから出る、歪んだサウンド
アフリカンポップスの音だ、ワタンベの一斗缶もフィードバック。

ワタンベ、こいつ俺の体調がどうだろうと(彼もまた怪我人ではあるが)気にしないでやがる。
それが一番うれしい。きついのはかまわない。
歪んだ音が楽しさをくれるわ。
暴走するシンセは自分のいかれた分身だ。
ドラムセットに移ったワタンベはさらに容赦ない。
リズムの提示するのは俺、歌うのはワタンベのドラムだ。
これは、きつい、からだにきつい。
口から音が出る、体の前面から音を出すと、背中や首の後ろに引力と斥力の関係のように
負荷がかかり力が必要になるのをはっきりと感じる。


首にあいたコルセットが、息の通り道を阻害している。
首を支えるためには必要だが、今必要なのは息の量なので、演奏しながらむしりとり捨てる。
息が太くなる、首にかかる力が強くなる。


吹いた。
やっぱ自分には吹くのは楽しい、必要なんだなと思った。
それが本来の楽器でなくても。まったく吹いたことのない楽器でさえも。


決めた時間は15分。それが限界で綺麗さっぱりいける時間だろう。
見合わせずぱきっと終わった。


+++++


クリトリックリスは変な色気を見せてくれた。
この人はまったく、しょうがないなあ、好きやからね。


井上卓は、もうなんといってよいのやら、幸せになった。
以前連絡したときに、今はライブよりも今の曲に磨きをかけているから、と聞いていたが
本当にそうだった。すごかった。
1曲1曲が、渾身の、引きずり込まれてしまう映画の引力さながら。
日本の誇りだ、と思った。マジでよ。


一楽さんはひさしぶりの曲も見せてくれた。
さいごのあの「チンポ斬り」は、自分のこないだの手術の様子を見るようで
(チンポに通した管、カテーテルの痛さとかメスの切り込み)を思い出して
いろいろと縮みあがる思いだった。


ちゃんと9時半に幕。


会計も済ませて、主催者として赤字も出さず、些少だけどギャラも皆に渡せて、
ほっと安心した。


+++


自分は、いついかなるときも、何がなくても、ライブできる人間でいたい。
いつも言ってることだが、こうやってそんな機会は来る。
本来の楽器でない、文句のひとつも言われるかもしれないライブだったが、
あれがあのときに出来ることの全てだったと思う。


井上さんは、後半のほうでステージから飛び降りて、楽器が壊れた。
アンプから音が出ない、ケーブルを引っこ抜いて客席に降りてきて
壊れた生ギターと生声でがんがん歌い果たした。
かっこよかった、ほんまにやってよかった。


打ち上げも壮絶に濃くて、みんながお互いのことに関心を持っていてうれしかった。
高岡大祐=音楽出会い系、はここでも健在だったと思う。


++++


体が完全であろうがなかろうが、いつも音楽家でいたい。
出来れば出来るだけ良い音楽家でいたい。
それを試す場だった。


来てくれた出演者、お客様に最大の感謝を。
俺は勝手にあなたたちのことを友達だと思っておきます。


サマソニも花火大会もなんもかもほってきてくれた皆様、
病身のお土産にと音楽ギフトを届けてくれた皆様、
自分のライブの合間にわざわざ駆けつけてくれて、お志まで渡してくれたおくじさん。
ありがとうございました。


俺は幸せもんです。


これなかった人のこと、どうこうなんて、思いませんからね、ほんまに。
来てくれた方、でもこの日来てくれた事は、一生忘れません。
オツム打ったんでちょいとばかし記憶力悪くなってますが、魂は忘れてません。


一楽さんの力強い言葉も、胸に染み入る。
俺らは、やらな、あかんねん。


忙しさよりも、内容の濃さと引き込まれたので、写真なんて撮れてません。
写真はtomoさんからのもらい物。


ああ、さすがに疲れた。さすがにね。
ええ演奏できるならいつ死んでも良いと思いますが
そう思いながら行き続けてみようと思います。


ほんまにやってよかったです。
ありがとうございました。


これだけにここ数日は賭けていたので、これからまた数日は完全療養します。
酒を一滴も飲まないでいれる打ち上げも、おそらくこれが最後になるだろう。
充実でした。
ありがとうございました。
またしばし、休みます。