WORLD BEAT 2008@河内長野ラブリーホール

daysuke2008-07-05

BALKAN BEAT BOX、THINK OF ONE with CAMPING SHAABI、ZAZEN BOYS フレイレフジャンボリー


河内長野ワールドビート(友人が笑ってた、すげえ名前だって)


一昨日のリハ鑑賞から興奮冷めやらぬ調子で長野へ。
ポコペンにシンクオブワンのエリックを迎えにいって近鉄河内長野へ。
お互い非常に寝不足だが、話が弾む。
音楽のこと、生きることについて、いつも語り合うのは楽しい。
我が好物の名産柿の葉寿司も気に入ってもらえた。


俺の演奏はフレイレフジャンボリーのお手伝いとロマチカオーケスター小編成で
ロビーや周辺での演奏と、最後のセッションに参加。


初めての夏日、って感じ。
あついの苦手な人には申し訳ないけど気持ちよいくらい暑い。
汗ビショビショになるしベタベタでひどい状態だが、嫌いではない。
ちなみに言うと西日本くらいだったら寒いのも嫌いではない。


屋外での演奏は勿論暑いがやはり気持ちよい。
ロビーでも幕間にたくさん演奏。
なんか一日中演奏してた気がする。


ザゼンボーイズは初見。
日本語の歌詞が聞き取りにくいのが残念。
向井氏がギターを持っている曲のほうが好きだった。



次にバルカンビートボックス。
以前からCDは聞いていたバンドだ、クラブ系でもっと打ち込み中心かと思ったら
結構生音演奏だった。
モヒカン男のテンションが非常に高くて客はドンドン上げられてディスコ状態。
途中からどうしても打ち込みとアゲアゲダンス感だけに飽きてしまい退席。
でも良かったと思う。好みの問題だ。


面白かったのはおそらくこの田舎のホールの友愛会かなんかで来ていたのだろう、
白髪高齢の女性が最初から立ち上がって踊っていたこと。
俺の田舎は実はこのあたりで、こういう土地のおばあさんがいかに保守的か知っているから
非常に面白く嬉しかった。
このまえのザゼンは日本語による結構ダンサブルな曲揃いだったのにこの人たちは
踊っていなかったところにも、意味深い気がする。


指向性の問題だとは思うけど、海外から来たバンドに目を見張らされるのは
その外向き加減だ。
内を向いているものに求心を求めるのも勿論方法としてはありだが
今の日本ではそういうもの非常に多く感じる。
あの外向き感、単純にいいなあと思う、学ぶところ多し。


んで、ラストのシンクオブワン。
期待度マックス。


まず残念だったことから。
グナワ演奏家の飛び切り陽気なモロッコのおいちゃん、借り物のゲンブリの調子が良くなくて
ゲンブリを使わなかったこと。
惜しいなあ、これでレパートリーが変わってた。
PA、これは残念極まりない。
そういえば前にコノノの時にも他の時にも思った。
低音ボワンボワンでロックがベースの人がやってるの丸分かりのありがちな失敗サウンド
リハのときのほうが未分化だったからか個々の楽器の音が良く分かり、ぞわぞわした。


*たまたまPAが知人だった、非常に古い知り合い。
 「彼らとはベルギーで知り合ったんですよ」と演奏中に声かけると
 「え、このバンドベルギーから来たの?」という答え。
 まあお仕事でやってんだから興味ないかもしれないけど、悲しい。


しかし、それでも勿論楽しいは楽しい。
知ってるバンドだからってひいきするような感じは持ちたくない。
ロッコのおばちゃん二人の声は(PAのせいでくぐもってて残念だったにしろ)
意味も分からぬわれらの胸に直接刺さるかのように美しく
バンドは演奏を心から楽しんでいた。


客出しの時間も頼まれもしないのに演奏してフィニッシュ。
ベリーダンサーとの絡みで後に友人たちにうらやましがられる。
うへへ、ざまあみろ。


終わってからグダグダと来た友人たちやメンバーたちと立ち話。
アテンド会社の大部分とザゼンとバルカンはこのまま東京へ移動。
シンクオブワンの連中は旅館で食事ってことである、少し残ったわれらは
是非おいでよ!と誘われてこの会に参加。


これが最高だった!!!
コンサートの100倍楽しんでしまった。
かわっぺりの瀟洒な旅館の何故か1階ロビーみたいなところで宴会。
大皿料理を並べて、それを食うより熱心なのは手拍子と歌。
 
 


ロッコ人のおいちゃんはコンサートで出さなかったゲンブリ
(モロッコの3弦ベースのようなもの)を取り出して、メンバーたちの手には
カルカバ(金属製の大型カスタネットのようなもの)をめいめい。
8分の6拍子を中心とした訛りのあるリズムが練られていく。
恍惚とする素晴らしいビート、コンサートと手拍子の形が違う、
シャービーではない、グナワだ!


うわあああああ!!!!!!!!!
ベルギーでのグナワとの日々が思い起こされる、節回し、リズム。
永延に続くかのような恍惚のビート。
ロッコおばちゃんたちがトランスの踊りをはじめた!回転するおばちゃん、美しい!
机の上に立ち上がり足を踏み鳴らし、百万の手拍子。
ここに居合わせた人々の興奮、幸運。たとえようもない。
いったことはないが、ベルギーの友人たちとモロッコの村に入り込んだかのよう。


陶然と、うっとり。
去りがたいけどさよなら。
俺は10月にベルギーに行くよ、というと、皆が再会を約束。
彼らが開設したというアントワープシェルダーペンで昨年やったショーの評判を
覚えてくれていた、必ず会おう。
日本からオリジナルのtuba演奏を引っさげて、俺はあんたらに会いに行くよ。
そこで新しい音楽を生み出そう。


楽しかった、ああ、楽しかった。


でも一言やはり書いておきたい。
ツアー会社の人間は最悪だ。
何年かに一度必ず彼らに会う宿命なのだが、本当に大嫌いだ。
裏返しの人種差別主義、礼儀知らず、権威におもねるだけの姿勢。
外人には諸手を上げて歓迎、日本人だとまともな挨拶一つよこさず無視。
初対面の人間になんという無礼な口を聞くのか。


エリックやシンクオブワンのツアーはまだ続くし、そういうものを見聞きして
エリックがひどく悲しそうな目をするから、怒ったり意見を言ったりはしなかった。
しかし、俺は本当に心の底から嫌な気持ちになった。
音楽の現場にこんな人種がいるということはひどい気持ちになる。


以前はやたらに怒ってばかりいた俺だが、最近は実はそうでもないんだ。
人にはそれぞれにいろいろと事情があるでしょう。
しかし久々に殺意が湧いて仕方がなかった。
人を殺したいという衝動はなかなか生まれないものだ。
これは脅迫でも苦情でもない、ただの俺の感情だ。


プランクトン、本当に嫌いだ。
個人で接するときがあったら、絶対にちゃんといおう。
いつもお呼ばれ組織の一員でしか接しないから俺に言う権利はない。
しかし社長以下接したことのある人間全員が異様に不愉快で好ましくない。
俺の知る限り、この会社を好きだという日本人ミュージシャンは皆無だ。
いつもとても良いミュージシャンのツアーを手がけていると思う。
それは事実だ。


ああ、いいこといっぱいあったのに、やなことも浮き彫りになっちまったな。


ともかくシンクオブワンとの宴会、あれが最高だった。
楽しかったから、ではなくて、そこに本当に音楽を楽しむ人たちの姿があったからだ。