ぶっきらレコーディング3日目

daysuke2008-02-01

いよいよ最終日。
といってもこのぶっきら兄弟のレコーディング変な緊張は皆無で
これはメンバーたちの人柄やひいてはバンドの人格みたいなものが大きいと思うが
とにかくやたらとリラックス。


この日は入り時間が早いためかゆっくり人が来るので早く来た人たちで歓談。
これが腹抱えて涙流すほどの笑い話。
たわいもないアホアホ話なんだけどみんな食いつきいいしテンポ良いし、ああ、笑った。
まったくたまらん兄弟たち。


今日は最終日の正念場、完全一発取りの大曲を録音。
そのために東京からかーくんも来場。
名曲、わのわのわ。
祝詞のようなラップからウェスタン、ロックなんでもごちゃ混ぜ。
リーダーなっかんの名言「日本人なら何をやってもミクスチュア」がそのまんま。
これを僕にオーダーが来てリズムをニューオリンズ的なものに。
少しリズムいじって楽しい感じに。
一発取りというのは、せーの、で全員で録音することで
もはやこういう録音方法は過去のものである。
なぜならいまはデジタル録音で何度でも重ねて録音できるので
最初にリズム隊(ドラム、ギター、ピアノ、ベースなど)をサイズどおり録音しておいて
後で歌やホーンズなどを重ねて録音していくのが主流だ。
なぜなら個人の細かいミスは、何度でも非破壊で取り直しが可能であるからだ。
細かい一度のミスのために全体を何度も直すというのは非効率だし
スタジオも機材も人件費も、時間がかかればかかるだけかかってしまう、。


しかし一発取りには、それでしか取れない空気感、ノリが必ずある。
ぶっきら兄弟は特にこの「空気」が大事なバンドだ。
話はずれるが、このデジタルによる便利な録音はすでに根付いて歴史も長い、
そしてそれだけ演奏者の腕前というのはおちていっていると思う。
失敗の緊張感はどんどん薄れていく、その緊張に支えられた、豊かなものも。
翻り、ぶっきら兄弟は技術的なバンドではない。
僕の参加しているバンドの中で最もそうでないものだ。
しかしなんというのか、形にしがたい「空気」の娯楽に溢れている。
それを生かすのに、やはりこの一発取りは欠かせないと思った。


ぶっきら録音初の何度かの録音しなおし。
細かいところの個人のミスは、まあええやん、のレベルまでさておき
一番良い空気を取れたと思う。


これで緊張の神経が切れたのか、ここからの別の曲のコーラス録音などは非常に楽しかった。
真ん中に2本マイクを立てて、全員で円陣を組むように肩を組んで
左右に揺れながら録音することなんてまずないで。
おしきせでもなんでもなく、本当に楽しかった。


気がつけば長丁場の時間が過ぎている。
全曲聴きなおして、皆の仕事に喝采
それぞれが芸達者なため、曲によって参加メンバーは違い、
それによって曲もてんでばらばら、しかし何か一貫した楽しさがある。


終わったあとは控え室で同志サポーターが持ち込んでくれたワインで乾杯。
リラックスしていたとはいえ、連日の作業の緊張はここでほどけ楽しい宴。
出来上がりが楽しみだ。