佐々木彩子コンサート@入谷なってるハウス

daysuke2007-07-19

佐々木彩子vo,p バッキーas ヤマダベンper 青山健一paint 
高岡大祐tuba 広沢リマ哲ts 室舘彩fl,vo 


この日の出演は成り行きだった。
昨日に上段四人のトヨタロビーコンサートを見に行ったのだ。
以前はよく共演した仲間たち。
これが物凄くよかったので感激、長い打ち上げを経て参加決定。


「絶対トヨタのお客さんが沢山来てなってるに驚くはずだよ」
と僕は思っていた。
なにせ400人以上のおそらく初めて彼らを見るお客さんたちの反応たるや
あの有名なお茶の間愛好ジャズ女性歌手もびっくり、という感じだったのだ。
「私は来ないと思うな、賭ける?」とはチャンこと佐々木彩子の弁。


なってるのドアを開けるのは僕は一年ぶり。
(お客さんのデータによると8ヶ月ぶりらしい)
ちょっと緊張した。
しかし1ヶ月出てなかったくらい、という感じで
何も代わっては居なかった、久々の面子と再会喜ぶ。


ともかく準備はある。
青健は昨日のコンサートで描いたキャンバスをステージ背後に飾り
入り口付近には今日描かれる白いキャンバスを設置。
これまでに描かれた絵や人形なんかもところ狭しだ。
そんな中突然やってきた室舘彩に一同驚き、勿論の共演。
こちらは曲の準備、なにせチャンとやるのは久々で新曲沢山やらねば。
しかし進行はそんなに難しいわけでもなくなにより共演するフレッシュさが身上ゆえ
あまりリハは練らずどんどん消化していく。
数年ぶりなつかしの曲も少しさらったり。


会場時間からこれまた懐かしいお客の面々と再会。
軽く腹に物を入れて待機。
チャンのソロからはじまったステージに一人ずつメンバーが呼ばれて楽曲を彩る。
彼女たちとやる時の親密で暖かいこのムードは本当に久しぶりの感覚で胸が一杯になる。
ただの感傷ではない、共演者の動向を見逃すまいと伺い愛でる姿勢。
以前はよく身近にあった感覚、硬くなっていたどこかがほぐされていくようだ。
この日はどの演奏もその個人の渾身のものだったと思う。
前から知っていた各人の良い部分が、久しぶりに見ると更なる成長を遂げていた。
これはとても嬉しいことだ。
自分のことで言えば、tubaでここまで歌うように吹くことは久しぶりの感覚で
これも軽い驚きとともに爽快に、気がつかないうちに身に纏っていた軽装の鎧をはずしたみたいで
体から音が伸びる感覚を楽しんだ。
特筆するのはリマさん、ファンキー、なんて掛け声のせいじゃないだろうけど本当に良かった。
こんな人は他にはいません。
終わるのが拍子抜けするような、不思議なムードで終演。


やってる最中に、これは絶対に良いものだという感覚がある。
このメンバーは最高だと普通に思う。
当たり前のようでなんだか久しぶりの感覚。
これらに人たちの前では音楽はその人そのものであって、
最近僕がいた環境では音楽だけがその人から乖離してしのぎを削りあうようなことが多かったのだろうか。
そういえばこのライブで「こんなに笑いながら演奏している高岡大祐を見るのは初めてだ」
と、最近のライブしか知らないお客さんに言われた。
そんなことに、なっていたのだろうか。


テクニックの話も検証も何も無い、ただただ非常に豊かな、人間の音楽。
これだけがいいのではないけれども、非常に感激した夜だった。