高岡大祐 tuba

ついに自分もここまできたか…
いや、このニュアンスは変かもしれないけど。
あのバーバー富士でライブ、しかも初出演でソロ。
ありがたい話です。名だたる即興演奏家たちが名演を繰り広げてきたことで知られる理髪店。
やはり、ここに繋いでいただいたのは齋藤徹さんです。
といってもブッキングをしてもらったとか、そういうわけではなくて、店主の松本さんに僕のことを推薦してくれたよう。
自分にとって、一回一回の演奏は全て真剣に、自らの全てをかけて演奏しているもので、誰が見ていて今後の何につながるものかわかりません。
媚を売ったり信頼を勝ち得るためにするのではなくて、今までどうやって生きてきたかが反映されるものだと思います。
うまく言えませんが、やっていてよかったなあ、という気持ちになりました。
上尾、初めてです。あげお、と読むことも当日まで知らなかったりして…。
高崎線に乗るのも初めて、駅から歩いてお店へ。
ごく普通の住宅地の中にある町内の理髪店、という趣。

店内もこじんまりとしていて、でも見渡すと壁には無造作に出演者たちのサインが。
いや、ライブハウスならありますが、ここは理髪店。


早速店主の松本さんとお話しして、少しウォーミングアップをして、やはり気になるのはCD販売物の棚。

たまらん…
通いのレコード店はおろか、アマゾン通販などでも見かけない音源の数々、しかも即興演奏中心のものばかり…
これ以降、演奏していない時はここに張り付きとなる。
エヴァン・パーカーデレク・ベイリーのストックが凄い。
最近また気になっているエヴァンのCDは91タイトル用意、ということで、呆然…。ちょっと前まで100あったとか。
知らないものばかりで好奇心が刺激されまくる。
会場からボチボチとお客さんが集まる。
どう見てもライブのお客さんには見えない…。
自分としても初めての環境でのソロ演奏。照明が落とされtubaに反射する金色の光が鈍く会場を照らす。
普段は飲食店や厨房のあるお店で演奏することが多く、そういうところはどうしてもそれに伴う持続的ノイズ(冷蔵庫や換気扇など)が
気になってしまうのだが、この日はそういったものに悩まされず、
そして店主さんが即興演奏を心の底から愛していること、少なくともここに足を運んでくれた人達は、少なからず好奇心を持ってここに集っている。
何も考えず、専念しよう。
うまくいくとかいかないとか、そういうことと無縁の演奏を心がける。
ただ、自分の限界で、演奏が制限されるのだけを、避けるように。
幾つか、自分にも思いがけない新しい音の発見があった。
終演後は心づくしの打ち上げで楽しく談義。音楽の話はどこでしていても楽しい。
ここに来れて本当に良かった、と思う。
松本さん、ありがとうございました。
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