eric/daysuke/登/横沢/ワタンベ@心斎橋我楽茶堂

Eric Thielemans(snare,perc)Daysuke Takaoka(tuba)
横沢道治(perc)登敬三(ts)ワタンベ(ts)


大阪二日目。
前日から荷物を届けておいたので入りは楽。
会場のセッティングをして準備。
エリックは(そして僕もそうだが)2列になる並び方が嫌いで出来れば横並びか顔が見渡せるのが好き。
というわけで広めに半円形をかくかたちでセッティング。
準備中の写真。エリックiphoneサウンドのチェックが同時。


今日は特別にライブ中の撮影を禁止した。
僕やエリックのライブは音量のダイナミクスが激しく小音量の時はとことん小さい。
携帯電話のカメラの撮影なんていうのはもってのほか非常識甚だしい失礼な行為だが皆が標準装備しているからか、
そんなことすら気がつかない人も多く、一眼レフのプロ向けカメラ使用している人は逆にシャッター音がうるさい。
デジタルカメラはなんぼでもやり直しが効くせいか、それでパシャパシャ枚数をたくさんとられるのも苦痛。
今回の僕は演奏者でもありながら企画者の一人でもある。
そのどちらの面から見ても撮影は全く好ましくない行為だ。(こちらから依頼したものは除く)
なので今回は直前に全面撮影禁止にした。前日の撮影のノイズに悩まされたことも一因だ。
「残念です」というコメントも貰ったがなんで?
このところUstだツイッターだなんだかんだ、と音楽の告知や宣伝の事についていろいろ言うが、
個人的に全く興味がない。記録というものに積極的に興味が持てないたちだ。
その瞬間にたちあがる極上のひと時を演者と聴衆で味わうのがライブ、
来れなかった人、または来る必要も感じないような人に分け与える必要は全くない。
音楽はその場で空気の中に消えて行くものだ。それがいい。


客入りは今回最大の超満員で席をなんども増やした。
前売りはそれほど振るわなかったけど当日券がたくさん出た。
特に客席には多数のミュージシャンがずらりと並んだ(勿論チケットを購入して頂いて)。
とても嬉しいし背筋が伸びる。
今回は組み合わせ多数のセット。
1:eric thielemans/daysuke takaoka
2:横沢道治/登敬三/ワタンベ
3:エリック・スネアソロ
++
4:エリック/ワタンベ/横沢
5:登/高岡
6:全員


エリックとのデュオはここ最近ずっとやっているが飽きることの全くない素晴らしい時間。
繊細にタッチしあう音とやったことのない冒険が交錯する。
2の関西トリオはエネルギー溢れるものでとても楽しんだ。
3はエリックのスネアソロ。天井の高いここで今までと全く違う響き。
なんの仕掛けもないスネアドラムからじわじわと広がって聞こえる多声。
a snare is bell.
彼の作品名通り、ゴーンゴーンと鳴り響く鐘の音が実際に聞こえる。
最前列の人たちは幸せとともに衝撃が大きい。
休憩時間中に呆然とした表情の人たちを見かける。


2部の最初は打楽器三人。
意外や意外一番最初に声で表現を始めたのはエリックだった。
横沢さんもワタンベも猛烈に突っ走るがエリックのパワープレイはやはり即興演奏らしく
主力楽器であるスネアをほったらかして、床に投げ置いたベルとシンバルを転がるのも関わらず
たたきまくるのが滅茶苦茶かっこいい。
中間に登さんと僕で管だけのデュオをやり、最後のセットはエリックと登さんのデュオから全員参加。
熱気溢れる演奏、音量ではぶつかってこないエリックは大音量になるとそれに関わらずに自分の音を出す。
僕も吹いている最中に遠くから聞こえるような柔らかい小さな音は一番柔らかいマレットでそっと叩くベルの音だった。
嵐のような轟音の中に聞こえる音が涼しい。僕も同意した。


満場のお客さんの色々な思いを感じて終了。
片付けをして打ち上げへ。
ホロホロと飲む。