終わった!

長きに渡る数々の欧州人のお世話ツアー、昨日で終了しました。
ああ、長かった。すっきり。


終わったから言います。


僕のブッキングや予約で受けた方で、ライブにお支払いが納得できなかったお客様、
ご連絡ください。
もっともだと思います。
お詫びを考えています。
当方金銭的にも今回で完全な困窮に入りましたので、すぐには対応できないですが
何とかしようと思います。


ブラックライトオーケストラ
ツアー途中でほんまにあかんと思った。
こんなんにお金払ってもらって、時間割いてもらうの申し訳ない。
逃げ出したくて仕方がなかった。
表面だけでやる気のないお仕事演奏を続ける人たち。
もっといい演奏できないのか、ときいたら「疲れてるから」。
は〜。
お前の人生はこんなもんでええんか、ときいたら
「this is part of my life」
これは俺の人生のすべてじゃないから、どうでもいいのさ、ときた。
は〜。
こんなこといわれて怒ることも落ち込むこともない人たち。
死んでくれ。
というか、本気で死にたくなったよ俺は。情けなくて。
金もってはよかえれやボケ〜と叫んで、逃げ帰る奴らの乗ったエレベータに
向かって、持ち金全部つかんで投げつけた。ドブに捨てる気持ちで。
当然俺より金に困ってない彼らはそれをごみのようにその場に残して帰ったけど。


この数年、音楽生活でこんな気持ちになったことはなかった。
団体生活から離れて、本当にやりたいことだけやって、
一緒に音楽に命をかけるに値する(自分の命より大事なものはない)
素晴らしい仲間との日々を続けすぎたせいか、
俺の心は思っていたよりも壊れ物になっていたようだ。


全部あいつらが悪いとは言わない。誰だって完全じゃない。
友人であるから、望んだことは簡単なこと。
音楽に誠実であること。
人殺しでもレイプ魔でかまわない。
音楽にかけてくれさえすれば、俺の理解の範疇の外にあっても
通じるものはあると思う、俺が間違っているのだろうか。


途中で俺が自殺でもしたら、ちょっとはわかってくれるのかねえ、とか思ったよ。
たかが嫌な奴になにをそんな、と思うでしょうけど友達なんですよ。
せめてちょっと前までは、そうだったはずなんだけど。
もうそうは思っていないかもしれないけど。


ああ、そういえば名古屋でライブ後に、
はい白人様、わたくしめ黄色い猿はせいぜいご主人様の要望にお答えするように
努力させていただきますだ、っていったら、
ではこれからはお前にも分かるように猿の声で呼びつけてやろう、
って、いってくれたな、あれ冗談じゃなかったんだ、びっくり。


人を信じる、なんてのはやはり傲慢な行為なのかもしれない。
すまんかった、そんな思い上がったことをして。
俺のような虫けらは、音楽がないといきていけないんだが、
まあ、いつかわかってもらえるようなときはくるだろうか。


昨日彼らの演奏中にお客がばたばたと席を立って帰っていった。
これも「人生の一部」だからきにしないのでしょうか?
誰に向かって何を演奏するか、ということを、演奏家は自覚しなくてはいけない。
帰った人たちは賢明でした。
終電があったから?もし音楽が素晴らしかったら、そんなもの忘れてしまうものさ。


途中ツアー参加のトリオヴァリズには救われた。
真摯に音楽を行う音と姿に、多くのお客さんや友人たちも感動した。
昨日ライブ途中で深夜バスに乗るために出発する彼らに挨拶を。
前の晩あんな醜態をさらしたというのに「ありがとう」と笑顔を見せた。
thank you for everything
おだやかで美しい彼らの再来を願ってやまない。
(そんな彼らの東京ライブが1日2日あります、詳しくは下記を)
http://www.myspace.com/triovaliz


共演のロマチカオーケスター。
先日のアタラストライブの熱気は冷めていない。
仲の良い喧嘩のようだったソロ合戦はいつか、お互いを楽しみあい愛しみあう
音楽への喜びが溢れるコミュニケーションの応酬。
お互いとその音楽に対する愛情がきっちりあるものだったと思う。


そのあとはれいのごとく。
最中に客は帰る、店スタッフは彼らの話はしない。
別にそんなことどうでもいいけど、お疲れ様もなにもなし。
そんなもんさ。またね。


打ち上げなんかは当然なくて、でもこっそりロマチカ瀬戸さんと相棒ワタンベと三人で。
前夜の現場だった後藤屋さんへ、僕は暴れたお詫びもかねて。
特盛泡盛で乾杯。
お互いの話、音楽の話、これからのこと。
いい年こいた中年トリオでクソガキのように盛り上がる。
音楽は最高だ。
いろんなことがあるけど、大好きな仲間にも会える。
馴れ合う仲間ではなく、音楽を尊敬できるものへ。


熱い血と太い骨を持ち音楽を愛する人
板の上に立つものもそれを聴くものも等しくいとおしい。
国内外を問わず僕を忌み嫌う人は多く、今後も増えていくだろう。
ほんのすこしでよい、一緒に生きててよかったと思う人がいたらそれでいい。


なんにせよ、終わった。
いろいろな意味で。
いろいろつかんだよ。