Wessex tornister tuba "Mighty Midget"

長年考えていたことに一つに
「超極小サイズのtubaはないのだろうか」
ということがあります。
とにかく小型軽量、持ち運び便利。
普段使っているヤマハのtubaも3/4サイズとかなり小ぶりなのですが、
それでも大きい。
小さくすれば響きは失せるけど、気軽に運べるもの。
いつか年を取って身体の自由がなくなって楽器が運べなくなったとき、
その時が楽器のやめ時になるのだろう、しかし、
なんとかならないだろうか?
怪我をして不自由になったとき、いざという時に持ち出せる楽器は。
僕の妄想では、机の上にポンと置けるうんこのように巻き巻きしたものだった。


ちょっと違うけど、
イギリスの新しい管楽器メーカーWessexが、まさにそれを出した。

機種名は「Mighty Midget」という。
和訳すれば「強大矮人」か。
元はTornister tubaというハンガリーオーストリア時代の軍楽隊の楽器が原型で、
それを同メーカーが4本バルブにしてリニューアルしたそうだ。
これ以上は限界、というくらい小型だ。
しかも僕が使用するB♭管(tubaには他にC,E♭,Fがある)、
普段のヤマハYBB-621に比べても半分以下、
コンサート用の大型楽器の1/6くらいの大きさしかないのではないか。
重さは5キロ。これも半分くらい。


2年ほどか、手持ちのものを売り払って、なんとか手に入れた。
これだけ巻いてあるので、息の抵抗感は恐ろしいほどある。
普段の倍以上の息を吹かないとまともに音が出ない。
音程はかなり癖があって、正直言って悪い。
気を抜くと鼻をつまんだような音しか出ない。
高音を吹くのがかなりしんどい。


それでも、これを手に入れてよかったと思う。
現時点で3回ほどライブで使った。
(桜井芳樹・関島岳郎・北山ゆうこ・高岡大祐による「ホープ&マッカラーズ」というバンドと歌女だ)
まだまだコントロールしきれていない、というか、まるで初心者に戻ったかのような体たらくだけど、
やりがいはある。

これからいくつかのライブでは使っていく予定です。


楽器の比較。
関島さんの楽器はF管でトーニスターはB♭管、
小さいのに5度も低いのは管長の違いから。
ぐるぐる巻いてあります。
サックスで言うとテナーとバリトンほども違う。



5月11日にはこの楽器だけを使った初めてのソロライブを行います。

http://www.bloc.jp/daysuke/data/1489041002

公園で吹いてみたサンプル動画。
iPhone5Sでそのまま撮ったので音割れてますが雰囲気だけでも。